収益物件を融資を利用して買う場合、
新築築浅物件の場合金利が2%台、
築古物件の場合3%台となる事が多く、
住宅ローンとの金利差に驚く方が
多い印象を持っております。
金利は低い方が良いのは最もですが、
住宅ローンと同等の金利を求める場合、
高属性である事が求められます。
(地主・年収3,000万円~等)
また、低金利を目指す場合
属性に加えて物件種別も新築やRCに
限られてくる事が多い為、
減価償却や土地値物件をお求めの場合、
金利との両立が厳しくなってきます。
資産形成期における不動産投資では、
パッケージ型ローンを利用する事が
ほとんどである為、購入時点での
金利交渉は厳しいです。
そのため、
イールドギャップや返済比率といった
指標を基に判断される方が多いです。
しかし、
イールドギャップや返済比率を
正しい指標として使えている方が
あまり多いと感じていない為、
正しい指標としての使い方を
記載していきます。
目次
イールドギャップについて
不動産投資では
表面利回り-金利の差と言われており、
会社によっては下記のように
定義されている事もございます。
FCR(実質利回り)-K%(年間返済率)
FCR:空室損運営費や購入時諸経費を
加味した実質利回り
K%:年間返済額÷借入額(融資残高)
どちらも間違いではないですが、
イールドギャップで何を知りたいのか
深く考える必要があります。
表面利回り-金利でわかること
簡易的な純資産増加を計測できます。
しかし、より詳細に計測する場合、
空室損運営費を加味した実質利回りと
物件の資産下落率を考慮すべきであり、
下記の方程式で見た方がより良いです。
FCR(実質利回り)-金利-資産下落率
≒純資産増加率
FCR-K%でわかること
CF(PL)においてレバレッジが
効いているのかどうかがわかります。
※FCR-K%のイールドギャップは
1.5%前後で取引されている
傾向がございます。
表面利回り-金利の場合、
返済期間の要素が入っておらず、
物件のPL判断ができません。
例)3,000万円借りる場合
①金利2%・期間15年(K%:7.72%)
→年間支払い額:2,316,631円
②金利3%・期間30年(K%:5.05%)
→年間支払い額:1,517,774円
金利が1%高い後者②の方が、
年間支払い額が約80万円
少なくなります。
FCR-K%のイールドギャップが
プラスでレバレッジが利いていると、
投資効率が上がってきます。
下記画像ご覧下さい。
全額自己資金で投資した場合と
比較した場合、金利3%期間30年だと、
この事例では投資効率が約5倍高く、
逆に金利2%期間15年の場合、
イールドギャップはマイナスになり、
投資効率が悪くなります。
上記事例からわかるように、
投下自己資金を温存して
資産規模拡大を目指す
不動産投資初期段階では、
FCR-K%というイールドギャップは
重要な指標となってきます。
しかしこの指標は運営中のCF(PL)に
着目している為、万能ではないです。
特に元利均等返済ですと、
金利だけでなく、期間が短い方が
総支払額が少なくなるからです。
金利2%期間15年3,000万円融資
→総支払額:34,749,469円
金利3%期間30年3,000万円融資
→総支払額:45,533,235円
差額が10,783,766円と
1,000万円以上の差が出てきます。
将来的な売却益を重視した投資では
金利2%期間15年の方が数字上の
利益が大きいため、投資の目的次第で、
投資手法が変わってきます。
返済比率について
年間返済額÷満室賃料と言われてます。
住宅ローンにおいては安全性を測る
指標として多用されておりますが、
収益物件においてこの指標を使うと、
賃貸需要の少ない地方高利回り物件に
辿り着くため、不動産投資においては、
この指標はほぼ意味を成さないです。
安全性を計測するためには
賃貸需要があるかどうか
設定賃料は適正かどうか
といったファンダメンタルズ分析が
重要になってきます。
まとめ
金利基準(資産形成期)
新築築浅→金利2%台
築古 →金利3%台
キャッシュフロー重視なら
金利より期間重視
純資産増加や安全性を高めるなら、
一定の自己資金投下
イールドギャップについて
BS(資産)増加率を確認したいのか
レバレッジや投資効率を知りたいかで
使うイールドギャップは変わる。
レバレッジはFCR-K%※1.5%前後目安
資産増加率はFCR-金利-資産下落率
返済比率について
不動産投資において返済比率を
重視すると地方高利回り物件になり
安全性が逆に低くなり、
安全性を計測したい場合は
賃貸需要や設定賃料を重視する
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最後までお読み頂き
ありがとうございました。
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