収益物件の価格決定において、
概ねの相場価格があるため、
著しくおかしな価格での取引は、
あまりございませんが、
不動産の取引は、
売主と買主の合意価格で決まるため、
売主希望価格から指値をした価格で
取引される事が、一定数ございます。
本日は指値と不動産投資について
より理解が深まる内容を本ブログで
ご説明ができればと思います。
目次
指値が通る物件とは
指値が通る物件とは、
特別事情があるにせよ、基本的に、
売主が希望した売却希望価格では、
他に買う人がいない物件です。
賃貸運営難度が高い物件や、
融資付難度が高い物件の場合、
指値が効く傾向がございます。
他には、売り急ぎ物件では
指値が通る傾向がございます。
但し、融資を受けて購入となると、
購入検討から引き渡しまで、
約1~2ヶ月程度かかってくる為、
現金購入できる方が有利となります。
不動産投資の歴史と市場(概要)
不動産投資は古くから
存在している投資ではございますが、
より一般的な投資手法となったのは、
比較的最近であり、より成熟した
市場となってきております。
不動産賃貸業の原型は、
江戸時代から存在していたと
言われております。
昭和50年代には、
1Rマンションの需要が高まり、
賃貸建物を専門に扱う
不動産事業者が誕生し、
地主による土地活用の手段であった
不動産投資が、サラリーマンなどの
個人に普及し始めました。
1棟収益不動産については、
アベノミクスが本格的にはじまった
2013年以降、金融緩和政策により、
地方銀行を中心に個人の
会社員向けに収益不動産の
融資を積極的にするようになり、
不動産投資市場は拡大してきました。
シェアハウス投資で話題になった
不正融資問題で、行儀の悪い投資用
不動産会社は大幅に減りましたが、
資産運用や資産形成のニーズが
より一層高まっている事から、
不動産投資を実践したいという
ニーズはより増加傾向にございます。
また、居住用賃貸不動産のニーズは、
商業用不動産やオフィスビルと違い、
コロナ禍においても変動が少なく、
より手堅い資産形成や資産運用の
手段として認知されるようになり、
国内最大の不動産投資サイト
楽待の会員数はコロナ禍以降に
急増しております。
不動産投資の歴史をざっくりと
ご説明させて頂きましたが、
収益不動産を購入したいという方は、
増え続けている状況です。
加えて、
収益不動産の購入は自宅購入と違い、
一生で一度の買い物になりづらく、
複数棟購入する事がほとんどです。
収益不動産を購入したい人が増え、
更に、その人達が何棟も買増しが
出来る事から、不動産投資において、
「一人しか買い手が見つからない」
という状況の物件というのは、
売主が希望した売却希望価格では、
他に買う人がいない物件である事が、
ほとんどでございまして、
そのような物件の流動性は
著しく低いのですが、
指値が通りやすい特徴があり、
指値によって一定数の取引が
成り立っております。
不動産投資は
金額の大きい投資なので、
自己判断で行うべきですが、
他に買いたい人がいるのかどうかは、
とても重要な要素となってきます。
指値と時間軸の話(投資効率)
指値が効く物件の特徴と
不動産投資の歴史と市場の説明で、
指値が通らないと買いたくない
物件はあまりお勧めできない物件と
ご説明させて頂きましたが、
投資である以上「少しでも安く」
購入したいのが普通の感覚です。
但し「あと少し安ければ買う」
という物件であれば、
時間軸を意識して購入する事により、
純資産をより多く増やせます。
下記スペックの物件を例に
ご説明させて頂きます。
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物件 :1Kが6部屋のアパート
年間満室賃料:288万円
(1部屋平均4万円)
売買価格 :3,000万円
表面利回り :9.6%
融資条件
金利3%・期間25年・90%融資
①満額購入した場合
投下自己資金:約510万円
(購入諸経費売価の7%試算)
税引前想定収支
満室賃料; 約288万円
空室損 :▲約 23万円(8%試算)
運営費 :▲約 43万円(15%試算)
返済額 :▲約153万円
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年間CF: 約 69万円
元本返済額:約73万円(初年度)
②売買価格から5%指値した
2,850万円(利回り10.1%)で
金利3%・期間25年・90%融資で購入
投下自己資金:約484万円
(購入諸経費売価の7%試算)
税引前想定収支
満室賃料; 約288万円
空室損 :▲約 23万円(8%試算)
運営費 :▲約 43万円(15%試算)
返済額 :▲約145万円
-----------------------
年間CF: 約 77万円
元本返済額:約69万円(初年度)
満額購入と5%指値購入の
10年間保有の比較
投下自己資金について、
5%指値した方が約26万円
少なくなります。
CFについて、
年間約8万円、10年間で約80万円
変わってきます。
10年後残債について、
満額購入 →約1,854万円
5%指値購入 →約1,761万円
差額:約93万円
投下自己資金差額(約26万円)
+
10年間CF差額(約80万円)
+
10年後残債差額(約93万円)
差額合計:約199万円となります。
150万円の指値とはなりますが、
融資や購入諸経費も踏まえると、
指値以上の効果が出てきます。
満額購入した際の年間の
CF+元本返済額が約142万円の為、
約1.4年分のCF+元本返済が
5%の指値購入と同等の利益水準と
なってきます。
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説明が長くなりましたが、
10年後に売却前提で比較すると、
5%指値と1.4年早く購入する事が
同じ意味合いとなってきます。
この1.4年をどう捉えるかは、
各個人の考え次第ではございますが、
世に2つと同じ物件は無く、
同じ物件が市場に出る可能性は、
少なくとも5年目以降です。
※それより早く出てくる物件の
購入は基本的にお勧めできません。
まとめ
指値が通る物件とは
→売主が希望した売却希望価格では、
他に買う人がいない物件が多い傾向
※賃貸運営難度が高い物件や、
融資付難度が高い物件等
不動産投資の歴史と市場(概要)
→市場の成熟に伴い、購入希望者が
増加傾向であり、売り手市場
指値と時間軸の話(投資効率)
→当然安く買えた方が純資産は
増えるが、時間軸を意識した方が、
純資産は増える傾向
上記図は収益不動産市場における
売主と買主の割合イメージ図です。
指値が通るばかりに、
賃貸運営難度が高い物件に
手を出してしまう方は一定数います。
また、理想が高く、
物件を探し続けるばかりに
本業が疎かになってしまう方は
より多い印象を受けております。
無理に収益不動産を購入する
必要はないと考えておりますが、
時間軸を意識して行動した方が、
よりいい結果に繋がるのが、
不動産投資だと考えております。
長文となってしまいましたが、
最後までお読み頂き
ありがとうございます。
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