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資産形成における収益物件の売却基準

更新日:6月10日


資産形成を目指した不動産投資では、収益物件の売却が非常に効果的です。


売却をする事により纏まった資金を手にできるため、

その資金を再投資する事によって、

資産形成の規模及びスピードを拡大できます。


また、デッドクロス物件売却や、バランスシート棄損物件を売却する事によって、

投資効率の改善や更なる借入が見込めるため、戦略的に売却する事も大事です。


目次

デッドクロスについて

減価償却について

規模拡大について

資産形成における収益物件の売却基準


・デッドクロスについて

不動産におけるデッドクロスとは、ローン元金返済額が減価償却費を上回る状態の事です。

元金返済されるスピードの方が、資産が減価していくスピードより早い状態のため、

一概に悪いとは言えないのですが、投資効率に影響が出てきます。


例)物件価格3,000万円(建物割合40%・諸経費別途7%)木造築30年利回り10%を、

所得税・住民税率合計43%の人が金利3%・期間25年・2,700万円(90%)融資で購入


【キャッシュフロー試算】


年間満室賃料  約300万円

運営費空室損 ▲約 75万円(25%試算)


営業純収益   約225万円

年間返済額  ▲約153万円


年間CF     約 72万円(税引前)

投下自己資金  約510万円(頭金10%+諸経費7%)

自己資金利回り 約14.1%(税引前)


こちらの条件で減価償却中と減価償却後を比較すると下記のようになります。


【減価償却期間中】


営業純収益   約225万円

減価償却費  ▲約300万円(建物割合40%)

建物金利利息 ▲約 30万円(4年間平均)


帳簿上収支  ▲約105万円 ※諸経費は別途算入可能です

所得税住民税割合が合計43%の人の場合約45万円の収支プラス

税引前CF 約72万円

税引後CF 約117万円

自己資金利回り 約22.9%(税引後)


【減価償却終了後】


営業純収益   約225万円

土地建物利息 ▲約 70万円(5年目)


帳簿上収支   約155万円

所得税住民税割合が合計43%の人の場合約66万円の収支マイナス

税引前CF    約72万円

税引後CF    約6万円

自己資金利回り  約1.1%


上記事例ですと、償却期間中と償却終了後では投資効率が約20倍以上も違ってきます。

借入割合が高い状態でデッドクロスになると、帳簿上収支が黒字なのに

税引後CFが赤字になりやすいので、購入前から考えておく必要がございます。



・減価償却について

デッドクロス物件の保有を続けると投資効率が落ちるため

資産形成においては長期譲渡のタイミングでの売却が非常に効果的です。

ただし、売却時の譲渡税をしっかりと考慮する必要があります。


譲渡税は下記公式で算出できます。


(譲渡価格-譲渡費用-取得価格)×譲渡税率 ※長期譲渡税率は20.315%


【先ほどの事例で5年後(長期譲渡前提)に3,000万円(譲渡費別途4%)で売却した場合】


3,000万円で購入して3,000万円で売却しているので、譲渡所得は0円、、、ではなく、

取得価格については建物価格分(1,200万円)を償却しているため1,800万円になり、


(譲渡価格3,000万円-譲渡費用120万円-取得価格1,800万円)×20.315%

=約219.4万円の長期譲渡税がかかります。

※購入時仲介手数料の資産計上部分については説明簡易化のため、省略しております。


5年後の残債が約2,308万円であるため、

譲渡価格3,000万円-譲渡費用約120万円-長期譲渡税約219.4万円-残債約2,308万円

=売却時手残り約352.6万円となってきます。


上記事例から減価償却を考えると、

減価償却中の所得税+住民税(約43%)を圧縮し、長期譲渡売却時税率は20.315%です。

差額約23%分の税効果を建物価格分だけ享受できる計算となります。


そのため、減価償却は長期譲渡になったタイミングでの売却が前提で

所得の高い人ほど税効果の高いスキームとなります。

(具体的税効果は累進税率のため要注意)



・規模拡大について

「規模拡大のために法人化」をしたいという相談をよく受けますが、

規模拡大のためにはまずはまとまった自己資金が必要です。

まとまった自己資金がある前提でバランスシートが整っている必要があります。


少し前の時代ですと、融資を使う順番で買い増しができるかどうかが決まってきましたが、

現状の融資情勢の場合、バランスシートに問題がないかが重要です。


バランスシート上の物件の評価について、

収益還元法で評価する金融機関と

土地と建物の価値から評価する金融機関では

物件の評価方法がだいぶ異なります。


収益還元法で評価する金融機関の場合、

耐用年数切れの物件の収益性については0とみなす事が多く、

資産評価についても、更地にしない限り借入額を全額負債とみなす傾向があります。

例)築30年木造利回り10%アパートを2,700万円借入(金利3%期間25年)で購入

収益性→月々128,037円のマイナス 

資産性→2,700万円の債務超過


土地と建物の価値から評価する金融機関の場合、

新築や築浅物件の場合、収益性を重視した価格評価になっているため、

購入した時から債務超過となってくる事がほとんどです。


また、どちらのタイプの金融機関の場合も、担当エリア外となってくると、

評価に掛け目が入ってきます。


上記評価が主流になっているため、バランスシートを整えるためにも、

物件の売却が必須となってきております。

個別具体的な内容については、ご相談時にご提案できればと思います。


・資産形成における収益物件の売却基準

資産形成を目指した不動産投資では、

デッドクロスによる効率性悪化や再投資のためのポートフォリオ再構築のため、

長期譲渡のタイミングでの物件売却が効果的です。


修繕のタイミングや賃貸需要の将来性、相続対策等、

売却のタイミングは多岐に渡るのですが、資産形成を目指した不動産投資では、


・売却で損切りをせずに利益確定が可能

・保有中の自己資金利回り(ROE)<再投資後の自己資金利回り(ROE)

・保有中の税引後CF<再投資後の税引後CF


上記3点を満たすのであれば、売却をお勧めします。


また、売却をしないとしても、市況や融資情勢の変化、賃料推移を踏まえた

収益物件の純資産(NAV)を把握する事は非常に重要です。

保有物件のNAVを把握することによって次に取るべきアクションが見えてきます。


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最後までお読み頂きありがとうございました。